八重洲に祀られていた豊川稲荷の小さな祠を麹町にあるオフィスビルに移す際、依頼を受けました。外資系のテナントが多いビルのオーナーから、「違う宗教の方も多いので、あまり目立たないようにしたい」との要望があり、道路、エントランス側からは石のモニュメントのように見え、側面に回り込まないと祠とわからない意匠になっています。
豊川さんは神社ではなく寺院という衝撃の事実もあり、基礎となる様式の整理に苦労しましたが、根源的と思える部分を取捨選択してまとめていきました。仏様なので鳥居の形式はあまり気にせず、日本古来の“白狐”は透明な生き物だったのでガラスで表現するといった具合です。本殿は豊川稲荷東京別院の意匠をもとにオーナーの趣味を汲み民芸調に仕上げています。ぱっと見、エキセントリックかもしれませんが、いたって保守的なデザイン手法で成立しています。
透明の白狐はガラス作家石田ゆり氏製作していただきました。













