「最中」作りました。
クライアントの店名と本店に祀られている豊川稲荷さまにちなんで、表がおかめ、裏がきつねになっています。おかめのほっぺときつねの耳のあたりが上下でぴったり重なるデザインです。能面師の中村光江さんに原型を彫っていただき、3Dスキャンしたものを縮小して高性能3Dプリンターで出力。それをもとに真鍮で金型を作りました。顔の表情をできるだけ変えないよう仕上げるため、金型をカワサキのバイクのエンジンを磨いている工場に持ち込んで研磨しました。
種(最中の皮)は浅草の老舗、種亀製。顔に筋が入っているのは昔ながらの製法で作っているからで、少し不細工になる代わりに香ばしい香りが広がります。
淡い鮫小紋を施した5個入りパッケージは通販などでの販売を想定し、輸送時に最中の顔があっちこっち向かないよう設計されています。おはぎが名物のクライアントで、賞味期限が当日限りよりも長い商品を求めていました。大きなおはぎと対照的な小さなお菓子が作りたくて企画・デザインしたプロジェクトです。
都内に3店舗を構える1947年創業「甘味 おかめ」の手土産用パッケージ、手提げ袋、ショップカード、暖簾のデザインを手掛けました。
持ち帰りが可能なのは、おはぎとあんみつ。中でもおかめの代名詞とも言える1番人気のおはぎは、注文を受けてからひとつひとつ手作りされるため、お客様の手に渡るまでに時間を要します。手土産に使われることも多いため失礼の無いパッケージでないといけませんが、包み終わるまでの工程を減らすことがデザインの条件だったので、包装紙や紐をかけなくても完結する紙箱にしました。
更に、手頃な価格のおはぎの箱にかけられるコストは限られています。そこで考えたのが“兼用”。あらゆる販売個数、組み合わせを想定し、製作する箱、袋のサイズ展開を最小限にしました。1サイズ毎の発注数をまとめることができるため、コストも抑えることが可能に。頻度の少ないサイズだけ過剰在庫になることを避けることもできます。
そして1個から10個のおはぎを3種の箱に美しく詰めることを可能にしたのが、1枚の仕切板です。この仕切板は箱を作るときの余白を利用したためコスト0円で作ることができました。また、ほんのり温かでとてもやわらかいおはぎ同士がくっつかずにすみ、同時に、味の異なるおはぎを同じ箱に収めても、仕切板があることで別の味が混ざることを防いでくれます。
グラフィックはクライアントの家紋「抱き茗荷」と代々使われてきた「おかめ」の書体、昔使われていた「甘味」の文字を復元したもので構成しました。
「おはぎは庶民の味。手頃な甘味に凝った華美なパッケージは必要ありません。年配の方から学生さんまで世代を越えて贔屓にしてくださるお客様のために、目新しすぎるパッケージは避けたいと考えています。」というクライアントからの要望を受け、家業として、家族を中心に長年守ってきた親しみやすい懐かしの味を邪魔することのないよう、抑えたデザインに仕上げました。
麹町店 03-5275-5368 千代田区麹町1-7フェルテ麹町1F
有楽町店 03-3211-0585 千代田区有楽町2-7-1有楽町イトシアプラザ1F
交通会館店 03-3216-6008 千代田区有楽町2-10-1東京交通会館B1F
パッケージ類のデザインに続き、ホームページも手掛けさせていただきました。
看板商品のおはぎを始めとする商品説明とともに、先代から引き継いだ「民芸」を取り入れた店作りを紹介することに重点を置きました。「民芸」的なものが好きでも、甘味にあまり興味がなく、今まで縁が無かった層にも「おかめ」のことを広く知ってもらいたいと考えたからです。
Webはシングルページの構成で、スマートフォン版も用意しています。ユーザーの使い方にあわせた新しいスタイルを取り入れつつ、パッケージと同じように目新しすぎず控え目で、お店の雰囲気にあったデザインに仕上げました。