COMCOMはすこし未来の、ネットワーク化された家電群です。このプロジェクトでは、通常、同じテイストで揃うことのない幅広い商品群をひとつのシリーズに見せる必要がありました。
そこで全体のスタイリングコンセプトを“佇まい”とし、それぞれの機器が置かれる環境に応じて「美しくある様」を大切にデザインしました。これはカタチが周りのインテリアと馴染むという話ではなく、機能を持った機械がどのようにその存在を空間の中で主張するかということです。強い主張もあれば、さりげなく存在を伝える場合もあり、それは下記のカテゴリーごとにコントロールされています。(全製品の写真は こちらで見ることが出来ます。)
オーディオ関連機器
佇まいは静寂です。選ばれた行為が情報を求めるものでない以上機器類にも必要以上の情報を付加しないことが大切であると考えました。
PC関連機器
初期の007映画に出てくる「アタッシュケースの中にはいっているもの」のイメージで展開しています。明らかに周りと異質な形状で、単一機能を強く主張して男性ユーザーの「子供ごごろ」をくすぐりながら高級ホテルの一室にもなぜかよく似合うといった感じです。この手の機器類は基本的に男性が喜ぶものですが、今回は女性ユーザーからみても室内にあっても許せる形状を模索しました。
プレート形状機器群
プレートから壁の中の空間に繋がる佇まいを表現しています。
昭和30年代から大きく2回のモデルチェンジを経て現在が第3世代といえるスイッチプレートの次の世代を示す未来感と、これまでの流れを断ち切らない安心感を両立させるよう光、形状、機能が意図的に落差を持って混在しています。
操作を必要としない受動的な機器
それぞれの機器の性格、置かれる場所によって段階的に変化していくようコントロールされています。「高性能で大切に扱う必要がある」、「重ねて裏において置けばよい」というおおまかな接し方と「電源を扱っている機器」、「テレビアンテナに関連する作業を行っている機器」といった漠然とした機能性までが佇まいとしてユーザーに伝わることで、ブラックボックス化した機器の把握を促し、情報家電のわかりづらいイメージを低減します。
リモコム類
リモコムには4種類のバリエーションが存在します。リモコム、シンプルリモコム、キッズリモコム、スイッチリモコムの4種類です。操作する側の機器として他の機器類とは多少趣を異にしているうえ、それぞれの主要機能の特性からもデザインテイストが変わっています。すべてのリモコムに共通するキーワードは「頭脳、中枢、信頼性」という言葉です。
リモコム
リモコム類の高機能機種です。その他の機器群との関係は女王蜂と働き蜂のような雰囲気です。絶対的な命令系統である強さと、閉じたときの気品ある佇まいと、開いたときのシンプルな液晶面の処理で操作時のとっつきやすさを表現しています。L字の操作バーは携帯の十字キーより簡単な操作を予感させる表現としてリモコムを筆頭に多くの機器に盛り込まれユーザーインターフェースの統一性も目指しています。
シンプルリモコム
家庭内での使われ方を考え基本形状はコードレス電話の子機を踏襲していますが、デザイン的にはリモコムと同じく他の機器類に対して一段上のデザインの作りこみを施しています。
キッズリモコム
自立の象徴としての佇まいを表現しています。行動力と知性の2つの方向でデザインを提案しています。安心をサポートするというよりアドべンチャーをサポートする機器としてのイメージでデザインしています。他の機器類との関連性が非常に薄いですが、これは子供が見につけたときの全体のみえがかりにデザインの比重を置いている結果です。
スイッチリモコム
通常のプレートスイッチと機能的にも近いものなので形状についてはプレート形状機器群と同じ考えでデザインしています。ただ、夜間照明の光り方を工夫し「頭脳、中枢、信頼性」という他のリモコムに通じるキーワードを表現できるよう考えられています。
各機器のカテゴリー分けは重複しています。
カテゴリー同士の狭間にある機器は両方のカテゴリーの性質を持ち合わせているという、緩やかな形状コントロールです。
たとえばコムディスプレイは中型の映像用ディスプレイですのでオーディオ関連機器とPC関連機器の中間のイメージを持ち合わせているという感じです。
このように、個々の機器はそれぞれの機能に合った佇まいを見せつつ、シリーズ全体としてシームレスにデザインすることで、室内空間内での機器同士の強力な「繋がり感」を表現しました。これにより情報家電ネットワークの信頼感と利便性を視覚化するのが狙いです。
Prototype |Photo Seiji Himeno
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